

平安時代より豊富な湯量を湧出する磐梯熱海温泉。
かつては200名を超える芸妓が存在し、ご来館の皆様方を心からお持て成ししてまいりましたが、ここ数年の間にその数が激減してまいりました。いまや風前の灯の如くその消滅を待つばかりの状態となってしまいました。最近は御座敷がかからず、「コンパニオン」をお客様方が好んでお呼びになるようになり、私ども伝統芸の伝承者に何故か目を向けてくれなくなってしまいました。
芸者といいますと「料金が高い」という印象をお持ちの方が多くいらっしゃるようですが、コンパニオンと全く同一、もしくは逆に安いくらいでございます。
芸妓は踊り、民謡、三味線、小唄、長唄、御座敷遊びのそれぞれを勉強し、稽古を重ね歴史ある民衆の中に脈々と息づいてきた大衆芸能の伝統者であるという自負を持っております。今、まさに数百年にわたって受け継がれてきた芸能伝承者である芸妓が、生活できないことを理由に日本中から次々と姿を消している現実を、私達としては座視する訳にはまいりません。「フジヤマ」「ゲイシャ」とまで海外で喧伝されたあの日本古来の伝統文化を、今この平成で無くしてしまっていいものでしょうか。今失ってしまえば、今後二度と復活させるのは不可能となってしまいます。
三度に一度、五度に一度で結構ですので、私ども芸妓の伝統芸もお座席でご覧になったり、また御座敷遊びを楽しんでいただき日本の伝統文化の一端にも触れて欲しいと存じます。
何卒、磐梯熱海の伝統ある芸妓の「心意気の灯」をお客様の力で益々燃え上がらせて、昔の盛況を取り戻させてくださいませ。
芸妓一同、心より伏してお願い申し上げます。